2010年4月28日水曜日

”一期一会” 桜に重ね






















2010年4月28日水曜日付

岩手日々新聞 掲載


森さん(ジャズシンガー)歌い浸透

=五輪メダリストパーティでも披露=


 平泉町平泉字泉屋の菓子職人、吉野崇さん(34)(※合気道多田塾奥州道場 前沢教室所属)が作詞・作曲したシングルCD「桜 詩(うた)う」が話題となっている。心に深く染みる楽曲は首都圏を中心に浸透しており、吉野さんは「聴く人に桜と人生がともに『一期一会』であることが伝われば」と思いを語っている。

 CDは自主制作。ボーカルは「上を向いて歩こう」で知られる作曲家でピアニストの故中村八大さんに見いだされた横浜市のジャズシンガー森美紀子さん、編曲とピアノ伴奏は吉野さんの友人で一関市萩荘の古川大さん、フルートは長崎宏美さんが担当している。曲を聴いた森さんが感動し、ライブなどで歌った際に聴衆から”リクエスト”され、実現。収録音は音響がよい吉野さんの店舗「吉野屋」で行われた。

 吉野さんが「桜 詩う」を作るきっかけになったのは、祖母の容体急変と同時期に東京・上野で満開の桜を見たこと。祖母との生活が走馬灯のように浮かび、いつもと違って桜が見え「一期一会」を強く感じ取って創作したという。

 NHKの「いわて みんなのうた」でアマチュアとして初めて採用されたユーモラスな「大根コン」とは趣を異にし、透明感ある曲調の中には出会いや人生の意味などを問いかけるメッセージが込められている。

 森さんが様々な機会をとらえて歌い、口コミもあってCDの売れ行きは好調。28日には都内のホテルで開かれるバンクーバー五輪男子スピードスケート500メートル銀メダリストの長島圭一選手のパーティに森さんが招かれ「桜 詩う」を披露するという。

 森さんは「吉野さんの詩には言霊(ことだま)が宿っている。桜に対する人それぞれの思いを呼び覚ます力が素晴らしい」と評価。古川さんは「メロディが異彩を放ち、編曲では和音が自然にわき出てくる思いだった」と語る。

 吉野さんは「ばあちゃんへの感謝の念を心に刻みつけたかった。この曲から桜と人の一生も『一期一会』であることを感じてもらえれば」と話している。CDは定価1000円(税込み)で販売している。

問い合わせは吉野屋=0191(46)2410=へ