2005年9月29日木曜日

「欧州での合気道普及活動から帰国し前沢町に道場を開いた」 菅原 美喜子さん

2005年9月25日付

岩手日報朝刊 『人』欄掲載


 スイスを拠点に欧州で約十年間合気道の指導・普及に努め、帰国後に地元前沢町と一関市に道場を開設した。

 合気道と出会い二十数年。「大学時代も欧州でも、多くの人に助けられここまで来ることができた。それに自分は考え方がポジティブ(前向き)でじっとしていられない性格だから」とはきはきとした口調で振り返る。

 大学在学中には、「道場のけいこだけでは物足りなかった」というほど合気道に没頭した。通っていた都内の道場師範と友人の協力で合気道部を設立。道場仲間の呼びかけで部員を集め、初代主将として引っ張った。

 卒業後、十四年間の教師生活に終止符を打ち、「右も左も分からぬまま」単身スイスへ渡ったときも、現地の合気道仲間から仕事先の紹介や、道場開設など助力を受けた。

 語学学校での学習、仕事、けいこと気の休まらない日々。「もう帰りたい」と、くじけそうになったときには、仲間の励ましと持ち前の前向き思考で乗り越えてきたという。

 帰国後は、世界で見てきたこと、自分が受けてきた助力を「今度は自分が誰かに還元する番」。古里の畳に舞台を移し、地元への恩返しと合気道普及に打ち込む日々だ。

 海外へ旅立つときに大反対した両親に対しては「長く留守にしてきたので少しは恩返ししないと」と照れくさそうに笑う。

2005年9月15日木曜日

「故郷に合気道道場開設」 前沢の菅原さん

2005年9月15日木曜日付

岩手日報朝刊掲載


スイスを拠点に欧州で約十年間合気道の指導、普及に努めた前沢町白山の菅原美喜子さん(47)は、故郷の同町と一関市に合気道道場を開設した。世界から故郷に舞台を移した菅原さんは「技術だけでなく、心の鍛錬を積む合気道は相手との調和・和合の武道で女性でも取り組みやすい。魅力を存分に伝えたい」と情熱を注いでいる。


菅原さんは財団法人合気会五段。一九七七年に東京女子体育大学在学中、合気会合気道本部道場の多田宏師範(76)に出会い入門した。

卒業後、都内の高校で生徒を教える傍ら道場に通っていたが、「自分を高めるためにも環境を変えたい」と決意。九五年、十四年間の教師生活にピリオドを打ち単身スイスに渡った。


ドイツ語学校に通い、観光ガイドの通訳などで生計を立てながら、現地の合気道仲間の協力を得て、サンモリッツに道場開設。今年初めに帰国するまで約十年間、イタリア、ドイツなど欧州各国で普及、指導活動に取り組んだ。欧州での活動も軌道に乗り、「日本で指導できてこそ一人前」という多田師範の言葉に従い今年三月に帰国。「世界で見てきたことや、合気道の魅力を伝えることで二十年以上離れていた地元への恩返しになれば」と、同町と一関市にこのほど「合気道多田塾奥州道場」を開設した。


菅原さんは「合気道は呼吸と体の動きを調和させ日常生活にも生かせる」とし、少年の部は礼儀や集中力の高め方などに重点を置き、一般の部では基本練習に加え、呼吸法や技のけいこなども行う。宮城県栗原市から前沢道場に通う会社員阿部慶太さん(32)は「集中力を高め、内面を鍛えることができる」と練習に打ち込む。

菅原さんは年一回程度は弟子に任せてきたスイスの道場を訪れるが、「地元での合気道普及に力を注ぎたい」と故郷での活動に意欲を示す。


前沢道場は、同町のいきいきスポーツランドで水、土曜日の週二日。水曜日は午後六時から同九時まで、土曜日は同五時から同九時までで時間帯によって少年、一般の部に分かれる。一関道場は呼吸法などの練習が主で、木曜日午後七時半から同九時まで。

 

問い合わせは菅原さん(080-5695-9129)へ。